女性の生き方 < コラム
女性の生き方に関するコラム
第180回:父の形見の大島紬は受け継がれて行く!
新年明けましておめでとう御座います。今年初のコラムです。
昨年は、未曾有の震災に日本中に激震が走りました。
東日本大震災におきましては、被災に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げております。
私の住まい名古屋には幸いにも殆ど被害がなく、今年も例年の如く新年が迎えられました。その上、我が家に於いては昨年息子が結婚をし娘がもう一人増え、素敵な新年を迎える事が出来きました。本当に有り難く感謝しております。
その二人が元旦の日「初詣でに行くから着付けをして欲しい。」と大島紬を抱えて来ました。
息子の大島紬は、私の亡き父、息子にとっては祖父の形見の大島紬。そして、義理の娘の大島紬は、私が嫁入り道具として両親が持たせてくれた大島紬です。
その時に私は思いました。気仙沼にお住まいの知人の先生の御実家は震災の影響で150年続いた家業に幕を下されました。今尚、混沌とした日本ですが、私達日本人は新年を迎え改めて日本・日本人の素晴らしさを感じ、日本を今宵なく愛おしく思った事かと。そして、着物を初め日本の大切な伝統品・美を絶やす事なく、子孫に伝承・伝達される様に私達日本人一人一人が協力し合って行かなくてはならないと・・・・・
最後に、大島紬とは鹿児島県南方奄美大島の特産品で、手で紡いだ絹糸を泥染めし、手織りした平織りの絹布で縫製した紬の着物の一種です。
丹精込めて織られた紬は、軽くて体に馴染みとても着易いので、私も大好きな着物のひとつです。でも中々着る機会がなく残念ですが、息子夫婦に着付けをしてあげ二人が喜んでいる姿を見ていると私もとても嬉しかったです。そして、草葉の陰で父も喜んでいる事と思います。
因みに、大島紬・結城紬・牛首紬 は三大紬と呼ばれ、他に米沢紬・上田紬・郡上紬・塩沢紬等があります。そして、紬を着る上で注意をして頂きたい事があります。それは、紬は丈夫な事から古くから日常の衣服や野良着として扱われておりましたので、材質が絹で幾ら高価であってもフォーマルな場所には相応しくない着物なんですよね。
其れでは、皆様に御多幸あれと心よりお祈り申し上げますと共に、本年も宜しくお願い申し上げます。