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第212回:老人ホームのボランティア活動は自分の人生が観える!
代々木高等学校名古屋サテライト教室の生徒達の情操教育の一環として始めた老人ホームのボランティア活動も約6年が経ちます。
現在、老人ホームに入居されてみえる80〜90代のお年寄りの方々は、太平洋戦争時に自分達の青春時代をお国の為にと捧げて下さり、今の平和な日本の礎を築いて下さった方々です。
ですので、私達はお年寄りの方々に感謝を込めて、終焉を迎えられるまで、少しでもお役に立ちたいと思い、様々なボランティア活動の中で老人ホームのボランティア活動を選択させて頂きました。
其の活動の中で、感じた事・見えた事は、老人ホームは、自分の人生が観えると言う事です。
その一つの例として
ある1月のボランティア活動の日に、泣きながら「先生、先生。聞いて、聞いて。」と、一人のお婆ちゃまが、私に話し掛けてみえられました。「どう、されたのですか?」と、お聞きした所「お正月なのに誰も来てくれなかったの。」
そして、そのお隣にみえた生涯独身を通されたお婆ちゃまが「先生、私ね、本当に結婚して子供を産まなくって良かったって、この年に成ってつくずく思うよ。」
皆様は、此の会話をどの様に受け止められますか?
結婚・出産をされたお婆ちゃまは、とても幸せな人生を送られていた事と思いますが、今は寂しくて不幸感でいっぱいですよね。でも、生涯独身を通されたお婆ちゃまは、きっと結婚・出産をされた女性達を見て、寂しく羨ましく感じられた事もあったと思いますが、家族が誰も来てくれないと嘆き悲しむお友達を見て、生涯独身で良かったと幸福感を感じてみえる事と思います。
物事は「終わり良ければ、全て良し」と云われる様に、幸福感で終焉を迎えられる生涯独身を通されたお婆ちゃま。そして、結婚・出産をされたお婆ちゃまは不幸感で終焉を迎えられる・・・・・!?
人生の教訓を学ばさせて頂ける老人ホームのボランティア活動は、正に自分の人生が観えます!
最後に、月に一度、笑顔で私達を迎えて下さり、そして「来月を楽しみにしているよ。有り難う、有り難う!」と、私達の手を握りしめ涙を流して別れを惜しむお年寄りの方々に、楽しく長生きして下さる事を願い、心より感謝を申し上げます!