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女性の生き方に関するコラム
第269回:日本画家「上村松園」作『娘みゆき』
87歳の私の母は、自分の部屋に飾ってある日本画家「上村松園」作『娘みゆき』を毎日眺めては、可愛い可愛いと呟いております。
この作品の題材は、みゆき嬢が恋人との余韻に耽っている様なんです。何とも言えない色香が漂う幸せそうな表情は、本当に可愛らしく愛おしく思えます。
毎日眺めて毎日素敵な気持ちになれる絵画(もしくは物)が身近にあるのって、人生に張りが出て日々有意義で素敵な一日が過ごせますよね!☆
認知症の診断が出ている母が、『娘みゆき』を観て心穏やかに素敵な毎日を終焉まで過ごせる事を娘の私は心より願っております。
最後に、恐縮ですが、短歌好きな私が『娘みゆき』を観て詠んだ歌を
夏まつり 浴衣のほころび
握りしめて
いざなう心 ひと針かな
*上村松園
・1875年(明治8年)〜1949年(昭和24年)
・日本人女性として初めて、1948年(昭和23年)に、文化勲章を授与された「美人画」を描いた日本画家。
・上村松園女史の母への想い
『私は母のおかげで、生活の苦労を感じずに絵を生命とも杖ともして、それと闘えたのであった。私を生んだ母は、私の芸術までも生んでくれたのである。』