女性の生き方 < コラム
女性の生き方に関するコラム
第272回:七宝とエナメルの違いは?
七宝とは、金属工芸の一種で伝統工芸技法のひとつです。金・銀・銅・鉄などの金属製の下地の上に釉薬(ゆうやく:クリスタル、鉱物質の微粉末を水とフノリでペースト状にしたもの)を乗せたものを摂取800度前後の高温で焼成することによって、融けた釉薬によるガラス様あるいはエナメル様の美しい彩色を施すものだそうです。
中近東で技法(エナメル)が生まれ、シルクロードを通って、中国(琺瑯『ほうろう』とも呼ばれる)に伝わり、さらに日本にも伝わったと云われております。そして、七宝焼きの名称の由来には、宝石を材料にして作られるためという説と、桃山時代前後に法華経の七宝ほどに美しい焼き物であるとしてつけられたという説と尾張國海東郡は尾張藩士の梶家の次男常吉が、天保三年(1832年)、江戸幕府の命により、オランダから入ってきた七宝皿を基にして、失敗を重ねながらも研究の末、その製法を確立したのが始まりとも言われております。
又、「七宝」「琺瑯」を表す語は、フランス語では「エマイユ」、英語では「エナメル」、ドイツ語では「シュメルツ」と呼ばれております。
では、エマイユ(エナメル)とは非常に古い技法で、古代エジプトやメソポタミアにおいて既に使用されており、ローマ帝国においては共和政末期頃に始まり、帝政ローマ初期、すなわちユリウス・クラウディウス朝 (B.C. 27 - A.D. 68) の時代に最盛期を迎えたあと、中世へと続いて行ったそうです。そして、この間エマイユの技法はゲルマン人にも伝えられて行きます。
私の好きなアール・ヌーヴォー期には、エマイユのジュエリーが大人気だったんですよ。
と言う事で、七宝とは日本独自の工芸ではなく、西洋のエナメルを見よう見真似で試行錯誤されて日本独自の工芸として産み出されて来た訳なんですね!