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第344回:中日新聞平成27年3月6日(金)付け「ぺーぱーナイフ」
今回は、中日新聞平成27年3月6日(金)付け「ぺーぱーナイフ」に記載された記事です。
【電話攻撃】
何度もかかってくるセールス電話は受けてにはやっかいなもの。でも、しつこくかけ続けた電話が、良い結果を生むこともある。
広域通信制高校の学習支援拠点「サポート校」を名古屋中区で運営するNPO法人名古屋教育支援センターの鈴木文代理事長(60)は、不登校や高校中退で入学した子に、時間を見つけは、こまめに電話することで生徒に知られている。
小学生のころから八年間不登校に悩み、サポート校も休みがちだった女子生徒には、二年間毎日電話し続けた。最後は「先生、学校行くから、もう電話しなくていいよ」と相手が根負けしたという。
「彼女らには、自分の受け入れてくれる居場所が必要なんです」と鈴木さん。自分の長女もいじめによる不登校で高校を退学した経験があり、子どもと深刻に向き合う態度を具体的な行動で示すことが必要だと痛感。サポート校の生徒にも「うるさいくらい」顔を出すよう呼び掛け、信頼関係を築いてきた。
国の調査では、不適切事例も報告されているサポート校だが、不登校や中退など多様な背景を抱えた子の教育機関を確保する役割は重要だ。「受け入れ側」の情熱が、現場を支えているのだと教えられた。(市川泰之)