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女性の生き方に関するコラム
第351回:中部高等学院〈自然環境学習〉
今回は、昨今様々と問題に成っております珊瑚に付いてです。
珊瑚とは腔腸動物で、炭酸カルシウムを主成分とした骨軸をつくる群体の総称です。宝石としての「珊瑚」と、「珊瑚礁」をつくる珊瑚は異なる種類の生物なんです。
【血赤珊瑚】
血赤珊瑚は、日本近海(小笠原列島・五島列島・奄美・沖縄・宮古島周辺)で特に土佐湾の水深100〜300メートルの海底に棲息しており、原木は潮流が流れてくる方向に向けて手を広げるような形で海底にくっ付いています。そのまま引き上げられた原木は扇のような美しい形をしておりますので、拝見物としても用いられております。
日本産・血赤珊瑚は裏面と表面があり、潮流が流れてくる表面は珊瑚のポリプが付いていて穴跡が多いのですが、反対側は滑らかな美しい面をしているそうです。
【珊瑚が色あせて白く見える現象】
珊瑚の生息に適した水温は25〜29℃。珊瑚の体内には、褐虫藻という単細胞の藻類が生息して光合成を行っております。海水温が2℃高くなるだけで、この褐虫藻が死滅する為、褐虫藻からの有機物の供給が途絶え白化し、殆どの珊瑚は死んでしまいます。
1998年は、エルニーニョに伴う高水温とそれによる珊瑚の白化により、全世界の広範囲でサンゴ礁が失われました。
最後に、日本は古くから珊瑚を宝飾以外に、魔除けやお守りに。特に「産後のお守り」。そして、結婚35周年の「珊瑚婚」「還暦のお祝い」の贈り物として用いられております。