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第431回:ドイツ映画「ハンナ・アーレント」を鑑賞して
映画 「ハンナ・アーレント」は、
2013年ドイツ映画賞で作品賞銀賞、主演女優賞を、2013年バイエルン映画祭で主演女優賞を受賞した作品です。
私の感想は、どんな時も考え抜く事。他の人の立場に立って考える能力が、人間にとって不可欠。
ナチスの非道な行為が、誰にでも起こり得る事態。特に、発言力に制限を受けてしまう組織の中ではと思いました。
では、掻い摘んで作品の内容をお伝えします。
主人公アンナハーレント女史は、ドイツで生まれで、第2次世界大戦中にナチスの収容所から逃れてアメリカに亡命した哲学者です。
そして、1960年ナチス親衛隊でユダヤ人の強制収容所移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンの裁判の傍聴記事によって、「ナチスを擁護するものだ」と激烈な批判を受けたハンナハーレント女史が、大学から辞職勧告まで受けた物語りです。
しかしながら、ハンナハーレント女史は、誤解を解き、自説を明らかにする為に、大学で特別講義を行い、学生達からは、「ユダヤ人に対する犯罪というよりも、『人類に対する犯罪』」と絶大な支持を受けます。
最後に、映画終盤でのハンナハーレント女史の講義内容をご紹介させて頂きます。
【"悪の凡庸(ぼんよう)さ"
「(アイヒマンを)罰するという選択肢も、許す選択肢もない。彼は検察に反論しました。『自発的に行ったことは何もない。善悪を問わず、自分の意志は介在しない。命令に従っただけなのだ』と。世界最大の悪は、平凡な人間が行う悪なのです。そんな人には動機もなく、信念も邪推も悪魔的な意図もない。(彼のような犯罪者は)人間であることを拒絶した者なのです」
「アイヒマンは、人間の大切な質を放棄しました。思考する能力です。その結果、モラルまで判断不能となった。思考ができなくなると、平凡な人間が残虐行為に走るのです。思考の嵐≠ェもたらすのは、善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。私が望むのは、考えることで人間が強くなることです。危機的状況にあっても、考え抜くことで破滅に至らぬように」〈ネット情報より〉】
つまり、どんな時も考え抜く事。誰か他の人の立場に立って考える能力が、人間にとって不可欠だと言う事だと思います。
要するに、組織の中では、誰にでも起こり得る事態となんですよね!